古民家の漆喰に驚きを隠せない

2010年5月13日木曜日

古民家 本漆喰

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先日の古民家インストラクター講習のほか、
古民家鑑定士現場講習がありました。

九州某所にある築130年ほどの名家が講習現場です。

左官関係者なら写真を見るだけでも想像がつきますね?
内部は左官さんにとっても、大変貴重な素材が一杯でした。














今回は古民家鑑定士として。 屋根の小屋裏の様子です。
梁に使われた木も大変立派なもの。
一部切り欠きのように見えるのは、再利用した名残でしょうか?
古材を有効に使い続ける日本人の良き伝統がそこかしこに。














ワタシが驚きを隠せなかったのは小屋裏に続く、屋根裏部屋。
昔から納戸として使われてきた場所です。

倉庫や押し入れに漆喰を塗り、水分をコントロールしていたのは
誰もが知っている話。














ですが、この漆喰、明治18年のままの漆喰です。
しかも磨き

家人以外、誰も目にすることのない場所まで
左官さんの技巧が尽くされていました。

これら以外の写真は家主様のプライベートに関わりますので
お見せしません。

色土壁や鼠漆喰、色砂壁に綿壁。
明治から昭和初期にかけての左官技術のオンパレードでした。
これが「文化財」(ぶんかのたから)というものですね。



また、近隣には朽ち果てる一方の廃屋がありました。














大変立派な資財です。
 木というものは切られた後、長い年月を経て乾燥が進み、
 より強くなることはご存知ですよね?

木と云うものは、おじいさんが新築した当時よりも、
 孫のアナタが見ている今の方が強いものなのです。
 漆喰も一緒。時間が経てば経つほど硬化が進み、強固になります

今の住まいは?
 建てた瞬間が最高の品質。あとは朽ち果てていくだけです。
 皆さんがどちらを選ぶか、問う必要はありませんね。


で、そんな古材を生かした住まい















やむをえず解体されることになった古民家から、
有償で買い取られた古材を使った、新しい住まいです。















釿(ちょうな)の跡が大変良い味を出していますね。
コチラのお住まいにお邪魔してしばらく、
「わぁ~っ」と感嘆の声を出し続けたワタシでした。

ちなみに、
解体される建物から古材などを買うには
古物商の免許が要ります。

捨てるものだからと解体現場から勝手に売りさばいたり、持ち出してもダメです。
産業廃棄物の違法処理となり相当厳しい処罰が下されます。

困った時には
 お近くの古民家鑑定士に相談しましょう。

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