沖縄の古民家を訪ねて

2010年9月26日日曜日

ムチ 古民家

t f B! P L
きっかけは1枚の写真から。
宿泊しているホテルの部屋に飾られている写真にふと目をやると…

古民家です。

ワタシが古民家鑑定士であることを知っての狼藉か?と
訳の分からぬ独り言をいいつつ…















行って来ました。






























国指定重要文化財 中村家住宅。
1700年代中頃に建てられたとされている代表的な古民家です。

入っていく者を圧迫するほど、しっかりとした琉球石灰岩の石垣。
正面を見据えるように屋根の上からシーサーがにらみをきかせています。


そして正面には「ヒンプン」と呼ばれる目隠しのための塀。

これも沖縄独特の形式ですね。
また、家の造りは正面から見て必ず左側に台所があります。
そのためか、ヒンプンを挟んで男性は右から。
女性は左から出入りしていたといわれています。

さて、中へ入ると
こんどは沖縄独特の開放的な住宅の姿。
そして、ガッチリと琉球漆喰で固められた赤瓦。

強い日差しと台風の強風雨から守るために、
屋根が低く、軒が張り出した造りでありながら
中まで明るいですね。































300年近く経っているのに、今でも普通に暮らせそうな佇まいです。


しかしここで終わらないのが「古民家鑑定士」。
係員さんがいないのをいいことに、小屋裏へ登りました。















やはり文化財だけにちゃんと手入れされているのですね。
白くマーキングされているのはシロアリによる蟻害の補修跡のようです。
でも、ちゃんとお手入れすれば、木造住宅でも長持ちすることが良く分かります。

そしてもう一枚の小屋裏の写真。















こちらはまったく補修跡がありません。
なぜでしょう?



お気づきですか?…真っ黒ですよね。
そう。台所の真上だったのです。
竈から出た煤で燻された木材は蟻害を受けにくい…ちゃんと証明しています。


















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