おさらい 漆喰とは その7

2010年11月1日月曜日

漆喰

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漆喰の原料について詳しく説明します。

今日は漆喰の主成分である石灰。

石灰に様々な種類があることを、
知っているようでなかなか知らない方が多いです。

石灰の原料となる石灰岩の鉱山。


実は、石灰岩は太古の時代に海だったところ。
サンゴやプランクトンが長い年月海底に堆積し、
その海底が地殻変動で隆起したもの。
写真素材 PIXTA
(c) リー坊写真素材 PIXTA

だからほとんどが海の底であった日本では
数少ない自給できる鉱物資源です。

山から採られた石灰岩は炭酸カルシウム。
これらを高温で焼くと、
炭酸カルシウムに含まれていた二酸化炭素が放出されます。

石灰を焼く窯


で、出来上がるのが生石灰(きせっかい、せいせっかい)。
焼かれた石ころは、軽石のように4割ほど軽くなっています。
その4割は、石から抜けた二酸化炭素の重さ。

生石灰はおせんべいや海苔などの乾燥剤として
身近なものでしたが、最近はシリカゲルに変わってきていますね。
あとは、お燗が出来るカップ酒などにも使われています。


















特徴は水と反応しやすいこと。
水分を吸収しやすいので、乾燥剤に使われていたのですが…
カップ酒などと同じく、そこそこの水分を与えると加熱してしまうのです。
少々取り扱いに注意が必要な素材です。

で、生石灰に水をかけると…


熱を出しながら反応していきます。
これを消化反応と云い、出来上がるのが消石灰(しょうせっかい)。


誰もが身近に感じられるのはコレ?
写真素材 PIXTA
(c) ライムライト写真素材 PIXTA


昔は運動場の白線に消石灰が使われていました。
が、実は現在は目や気管支などの影響を考え、
安全な炭酸カルシウムのパウダーに変わっています。


とにもかくにも消石灰。


これが漆喰の主原料であるわけです。


一応、ココまでの化学式にも触れておきます。

まずは石を焼くと、二酸化炭素が抜けて生石灰に。





生石灰に水を加えると熱を出して反応し、消石灰に。



実はまだ続きがあるのです。
出来上がった消石灰は二酸化炭素を吸収して、もとの石へと変化します。
これが、漆喰が硬化する原理でもあります。






最後の方、ちょっと難しかったでしょうか?
実際の現物をそれぞれお見せしながら説明すると
すぐに分かるのですが…。



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