おさらい 漆喰とは その9

2010年11月5日金曜日

漆喰

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イベントで2日開きましたが、「おさらい」まだまだ続きます。

今日は「海藻のり」
ノリというと、どうしても接着剤を連想する方が多いのですが
漆喰に必要なノリは作業性や保水性のため。
当然、多少の接着力も付与されますが…。

海藻を使った保湿パックや髪のコンディショナーと同じく、
漆喰がしっとりとした状態で作業を続けられるのです。
左官さんが言う「のり効きが悪い漆喰」と云うのは
本来「乾きが早い漆喰」を指して言う言葉です。
そんな海藻の種類は…

一般的に、最も有名なものは「布海苔(ふのり)」。
布の「のり付け」にも使われていたことから
「布の海苔」と書かれるという説も。
ただ現在、漆喰に使われるのはごく一部。
歴史的には瀬戸内産のものが使われていたようです。



逆に左官職人さんの中では一般的なものが「銀杏草(ぎんなんそう)」。
地域によっては「仏の耳」「耳のり」とも呼ばれますね。
現在の漆喰に最も使用されている海藻です。
産地は北東北から北海道。
流通しているものの多くは韓国や南米のもののようです。



そして「角叉(つのまた)」。
銀杏草の仲間とも云われますが、全くの別物。
流通しているのは関東地域が多いです。
産地は三陸といわれる岩手や宮城。




近年の漆喰では「のり」は「糊」。
接着性や硬化を強めようと様々な樹脂が用いられています。

が、考えてみてください。
もともと使われてきた海藻のりは水に溶けるもの。
外部に使われるのりに接着力は期待できませんね。
雨で流れ落ちてしまいます。

樹脂でくっついた漆喰、それは?


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