©伝統素材伝承支援協会 唯一?の漆喰のことわざから、あれこれ考える。 150 150

唯一?の漆喰のことわざから、あれこれ考える。

「漆喰の上塗りに借金の目塗り」

聞いたことがありますか?
目塗りとは、つなぎ目にモノを塗ること。

言葉の意味は「長くは持たない。すぐにボロが出てしまうこと。」
左官さん達の中では昔から、「傷んだ漆喰の上から漆喰は塗れない」

ということは常識としてご存知の話です。
下地が脆くなっている上、くっつき難いからすぐに剥げてしまうわけです。

また、つなぎの借金でそうそう長持ちすることもないですよね?
だから借金の目塗りもすぐに無駄になるわけです。

世間でまったく耳にしたことがない言葉なのですが、それはそれとして、言葉の由来を考えると、なかなか粋な言い回しですね。昔の左官さんが考えた言葉でしょうか?


ちなみに「目塗り」ですが、
火事が起きた際に土蔵の窓や扉の隙間に泥などを塗って中のものを守ったそうです。
この作業も「目塗り」。借金も火事と同じく、あわててやることだったのでしょうか?

以前拝見した土蔵では、扉の隙間を埋めるために、
扉の脇に味噌が入った壺が埋められていると聞きました。


では、漆喰の上から漆喰を塗るには?

 傷んだ漆喰は論外です。ちゃんと下地から直しましょう。
 土が露出している場合、屋根や軒から内部に水が入って、
 小舞を腐らせていることも多々あります。

 まだしっかりしている漆喰の上からであれば、
 最近は付着のよい塗り替え下地材が各社から販売されています。
 が、どこまで保つかは下地の判断次第。

 判断を誤ると、「漆喰の上塗り借金の目塗り」する羽目になるかも!?