運動会に使っている石灰は、実はホンモノではない?

2014年9月7日日曜日

石灰

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さあ夏休みも終わり、子供たちは学校へ。

春に行われる学校も増えましたが、秋は運動会の季節。毎日、学校のほうから、運動会の練習でしょうね?! ドンドンと太鼓の音が聞こえます。


さて、運動会につきものと云えば、石灰。


と云いたいところでしたが、
実は現在使われているライン用の白い粉は昔のものとは違うのです。

昔から使われてきたのは消石灰

消石灰は
 化学名:水酸化カルシウム =Ca(OH)2
 水に溶けると強いアルカリ性を示します。

 鼻や口から吸いこんで、苦しかった思い出ありませんか?
 手についているのに気付かず、目をこすったら痛くなったり…。
 体育の授業でライン係をした後、手が荒れてしまったり…。

 それだけならまだしも、失明の危険もあったんです。


なので、
 2007年に日本眼科医会から消石灰を使わぬよう要請があり
 文部科学省からも学校その他に同様の指導がありました。


じゃあ、今使っているものは何なの?
 …と訊かれそうですね。

 現在、ライン用として使用されているのは炭酸カルシウム=CaCO3
 タンカル、炭カルとも呼ばれる中性の粉です。
 石灰石や大理石などをパウダーにしたもので、
 食品添加用の製造加工されたものは、パンや歯磨き粉などにも。

これならカラダに安全。というわけです。
 

消石灰もタンカルも原料は石灰石。加工方法が違うだけで性質が全く変わるのです。面白いですね。


石灰業界の対応は?
 ほとんどの石灰会社は10年近く前から炭酸カルシウムのライン専用製品への切り替えを進めていました。 学校では対応品でないと使えませんしね。

でも、消石灰、単に危険というものでもありません。

強アルカリであるがゆえに、殺菌消毒の作用があります。
普段から畜産業では畜舎消毒に石灰を溶かしたものを散布しますし、近年発生している家畜の伝染病の際には、予防と殺菌の為に消石灰が広範囲に散布されています。また、洪水などの後に伝染病を防ぐために散布されることもありますね。

石灰は毒にも薬にも…といったところでしょうか?
 

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