とにかくとにかく暑い一日が続いています。
住まいからお役所まで。
色んなところで夏季の節電対策として行われているのは「緑のカーテン」。
「涼しくなった」という話より、毎日毎日の収穫のオハナシが話題に上りますね(笑)
さて、ところで
現代の都会のようにコンクリートの建物が乱立していたわけでもなく、
温暖化が進んでいた(?)わけでもないのですが、
クーラーどころが扇風機もない時代に暮らしていたご先祖さんたちは、
今の私たちと同様に夏を迎えていたわけです。
昔から、浴衣などの衣服、住まいのつくりなどで、
出来るだけ夏を過ごしやすくしていたことは皆さんご存知の通りですね。
誰もが知っていることだと思いますが、「昔の家は涼しかった」わけです。
http://news.mynavi.jp/news/2013/07/24/302/index.html
特に住まいについては、何度か紹介した徒然草がその考え方を顕著に表しています。
徒然草 第五十五段
家の作りやうは、夏をむねとすべし。冬は、いかなる所にも住まる。
暑き比わろき住居は、堪え難き事なり。
深き水は、涼しげなし。
浅くて流れたる、遥かに涼し。
細かなる物を見るに、遣戸は、蔀の間よりも明し。
天井の高きは、冬寒く、燈暗し。
造作は、用なき所を作りたる、見るも面白く、万の用にも立ちてよしとぞ、
人の定め合ひ侍りし。
建築の関係者なら、なじみの深いものですね。
日本の家のあるべき姿を語っています。
夏に配慮した家を建てなさいということですが…
古文のままだと分かりにくいですね。なので思いっきり砕いた現代語訳を。
家は夏に住みやすいのがいいですよ。冬は寒くてもなんとかなりますが暑い時期に暑い住まいでは、我慢出来たもんじゃないです。
深く溜まった水は、涼しそうに見えませんよね。浅めにサーっと流れている方がやっぱり涼しげです。
ちょっとしたことですが、引き戸の方が蔀(しとみ)よりも部屋が明るくなりますよね。天井が高い部屋は暖房効率が悪く、また、どうしても暗くなります。
しつらいは無用なところまでこだわった方が見栄えもいいし、使えるもんです。 …というとこですかね。
徒然草が書かれた鎌倉時代よりも温暖化が進んだ現代、
暮らしやすいのは伝統建築で建てられた住まいだということ、
誰もが感じていながら、知っていながら、どこかで都合よく忘れようとしています。
日本の伝統は千年以上かけて、残されたのではなく「進化」してきたのです。
住みやすい構造に過ごし易い素材。
それらが淘汰されながら残ってきたのです。
古くから残されてきたものの方が暮らしやすいのは?
…当たり前のコトなのですね。