710だからだそうです。…これ、なかなかのトンチですよ。
OIL …ほら、わかりますか?
710とOIL サカサに見るんですって。
さて、西日本を中心に漆喰に油が練り込まれるというオハナシ、幾度もさせていただきましたね。
一般にこれだけの種類が使われてきたんです。
漆喰に使われた主な油。
菜種油 | 食用でも有名ですね。 最も多用されている漆喰油です。 |
桐油 | 油桐から採った油。 今でも伝統工芸では珍重されていますね。 漆喰では島根や鳥取などを中心に。 |
荏油 荏胡麻油 | 荏胡麻の種から採った油。 歴史的には、菜種油が使われるようになるまでは、 この油が食用油だったそうです。 韓国焼肉のお店で葉っぱが出てきますね。 |
亜麻仁油 | ♪亜麻色の長い髪…で知られる亜麻の種から採取したもの。 油絵の具にも使われていますね。 亜麻の茎の繊維は麻製品として使われています。 リネンといったら亜麻のことです。 |
魚油 | 名前の通り、動物由来の油。 イワシなど、青魚を煮詰めて採っていたそうです。 漁村で多用されていたようです。(ワタシの地元もそうです。) |
鯨油 | クジラから採った油。外国が行っていた捕鯨の目的も油でした。 ペリーさんの黒船来航時に開港させられた表向きの目的も 捕鯨船の給油のためでしたよね? 今ではかなり入手が難しくなっていますが…。 |
とにもかくにも「油」までもが天然素材。夏の花、ヒマワリからも油がとれるんです。
さらに、油には酸化して固まりやすいものと、そうでないものがあります。
油紙などに使われてきたのは固まりやすいもの。これを乾性油といいます。
桐油や荏油、亜麻仁油などがそうなのですが、漆喰に使う場合は混合がしっかりしていないと油ムラが出来て、黄色または茶色っぽいムラが出来ることがあります。
油の利用もまた素材との戦いだったことでしょうね。