「外壁に使う色漆喰で色が褪せないものってないでしょうか?」
ありません。
漆喰の主成分は消石灰。真っ白なものが主成分なのです。
そこに色の粉、顔料を混ぜると色のついた漆喰の出来上がりです。
ちなみに透明なペンキに顔料を混ぜれば色付きのペンキになるわけです。
![Wedding Bouquet](https://farm5.staticflickr.com/4055/5186954801_29b9893ac3_z.jpg?zz=1)
Wedding Bouquet / Juan Antonio Capó
さて、話は漆喰に戻ります。色付き漆喰のミクロなイメージとしてはこんなカンジ。
石灰の粉と色の粉が混じりあうことで、結果的に「色がついて」見えているわけです。
ところが、風雨に晒されて顔料が抜け落ちると?
主原料である漆喰の白が勝つわけです。
塗料が色あせてしまうのも、漆喰が色あせやすいのも、同じ理由からです。
色の粉が落ちると、主原料の色が勝ってしまうわけです。
さて、その実例。
黒漆喰がそのまま残されている店舗。とても素敵な佇まいです。
![](https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEi6dPft7GpVBBk8XldiTbtudxd3gBi0TJYTeIPexiX-NFM-ZjRaw9ybAaIRmt6GQlBLHua5PBFTZUVLYnDvbPdGgFNhegMLbg_4iJPGIt5ob0r4rwrZ4u-U7P7Htym98rNJdaVhAsjnE-k/s640/DSC01048.jpg)
壁に塗られている「黒漆喰」。
左官材料の中でも製造が大変難しい製品でもあるんです。
さらに追い打ちをかけるように現在、その原料の入手が難しくなっています。
左官用墨は「松煙(しょうえん)」と呼ばれる松を燃やして作られたものが一般的。
ただ、昔ほど分散が良いものがなかなか手に入らないようです。
さらに「黒漆喰」自体を作ることの出来る左官さんも少なくなってきたようですね。
で、褪せないようにするためには顔料が抜け落ちないようにするだけ。
そのためには…簡単ですね。そういった成分が入っていれば可能なんです。
でも、そこまでするんだったら「漆喰のようなもの」を使うのではなく
ペンキを塗った方がイイんじゃないか?と。