甲子園の意味

2020年8月1日土曜日

甲子園

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コロナでこれまた中止の、甲子園での夏の高校野球大会。
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DSC_1988 / alexxis


さて、1924年の今日、8月1日、ご存知「甲子園球場」が開場しました。


甲子園の「甲子」。いったいどんな意味なのでしょうか?

園は「●●園」のように囲まれた場所や、何かが行われる場所をさす言葉ですが…。

「甲子」を「きのえね」と読める方、なかなかいらっしゃらないようですね。実はコレ、私たちの文化に様々な影響を与えている干支(えと)の一つなんです。

干支(えと)って??

「ネズミ・ウシ・トラ・ウサギ…イノシシでしょ?!」という方、半分くらい正解です。それは十二支(じゅうにし)ですね。干支の「支」にあたる部分。

干支は 正しくは十干十二支(じっかんじゅうにし)。
「十干(じっかん)」は五行の木火土金水と陰陽の兄(陽)、弟(陰)が組み合わされたもの。
十干 音読み 訓読み 意味
こう きのえ 木の兄
おつ きのと 木の弟
へい ひのえ 火の兄
てい ひのと 火の弟
つちのえ 土の兄
つちのと 土の弟
こう かのえ 金の兄
しん かのと 金の弟
じん みずのえ 水の兄
みずのと 水の弟

さらに十二支(じゅうにし)はご存知のこの12の区分け。
十二支 音読み 訓読み 動物
ねずみ
ちゅう うし
いん とら
ぼう うさぎ
しん たつ
へび
うま
ひつじ
しん さる
ゆう とり
じゅつ いぬ
がい イノシシ

この十干と十二支を組み合わせたものが干支(えと)なんです。だから「甲子」は「きのえ」と「ね」の組み合わせで「きのえね」と読まれているのです。

試しに組み合わせを並べてみましょう。
順番 十干 十二支 干支(えと) よみ
甲子 きのえね
乙丑 きのとうし
丙寅 ひのえとら
丁卯 ひのとう
戊辰 つちのえたつ
己巳 つちのとみ
庚午 かのえうま
辛未 かのとひつじ
壬申 みずのえさる
10 癸酉 みずのととり
11 甲(2順目) 甲戌 きのえいぬ
12 乙亥 きのとい
13 子(2順目) 丙子 ひのえね
14 丁丑 ひのとうし
15 戊寅 つちのえとら





59 壬戌 みずのえいぬ
60 癸亥 みずのとい
61 甲子(2順目) きのえね

さらに、それぞれ一番目と一番目から組み合わせていくと、甲子から始まって癸亥で一周しますね。ちょうど60でコヨミがもどるんです。

コヨミがもどる =「還暦」ということです。60歳で生まれた歳の干支に戻るから還暦。十干十二支を知らないと分からないオハナシですね。

さらにこの干支、「年」だけでなく月や日、時間、角度や方位など、様々なところで使われてきたんです。辛亥革命は1911年の干支が辛亥。同様に戊辰戦争、壬申の乱などもその年の干支によるもの。

トラが大好きな野球ファンの聖地、甲子園球場は1924年の甲子の年に造られたから。
(…寅年じゃないんですよ。)

大陸から伝わり、長く長く我が国で使われてきた「伝統」ですから、日頃は使うことがないにしても「知っておきたい」オハナシの一つです。

熱烈な野球ファンには関係ないって言われそうですけど(笑)
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