いまは安全な「石灰」を使っています

2022年9月7日水曜日

よもやま

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コロナで開催の是非は問われますが、秋は運動会をはじめスポーツの季節ですね。


運動会といえば、石灰?



運動会といえば石灰です!と云いたいところでしたが、実は現在使われているライン用の白い粉は昔のものとはすこし違うのです。

昔から使われてきたのは消石灰。

消石灰は 化学名:水酸化カルシウム =Ca(OH)2。水に溶けると強いアルカリ性を示します。

じつは、消石灰(水酸化カルシウム)には失明の危険があった

鼻や口から吸いこんで、苦しかった思い出ありませんか?
手についているのに気付かず、目をこすったら痛くなったり…。
体育の授業でライン係をした後、手が荒れてしまったり…。

それだけならまだしも、大量に眼に入ることでアルカリやけどをおこし、失明する危険性もあったんです。


なので、 2007年に日本眼科医会から消石灰を使わぬよう要請があり、文部科学省からも学校やメーカーなどに同様の指導がありました。

いまは安全な「石灰」を使っています!

じゃあ、今使っているものは何なの?安全なの??
 …と訊かれそうですね。

安全なライン用石灰とは

現在、ライン用として使用されているのは炭酸カルシウム=CaCO3。タンカル、炭カルとも呼ばれる中性の粉です。
石灰石や大理石などをパウダーにしたもので、同じ成分で食品添加用の製造加工されたものは、パンや歯磨き粉などにも混入されています。
これならカラダに安全ですね。
 
消石灰もタンカルも原料は石灰石。加工方法が違うだけで性質が全く変わるのです。
面白いですね。

安全なライン材を使っている?

もともとライン用石灰を販売していたほとんどのメーカーは、10年近く前から安全な炭酸カルシウムを原料とした製品への切り替えを進めていました。なので、今「ライン用」と銘打っているものであれば対応済みのものであるはずです。
また現在、学校では対応品でないと使えなくなっていますね。


しかし、消石灰のアルカリは役に立つ

ここまでの記事を読むと「眼に入ると危険だ」と敬遠してしまうことでしょう。

しかし、それが強アルカリであるがゆえに、殺菌消毒の作用があるんです。
普段から畜産業では畜舎消毒に石灰を溶かしたものを散布しますし、近年発生している家畜の伝染病の際には、予防と殺菌の為に消石灰が広範囲に散布されています。
また、洪水などの後に伝染病を防ぐために散布されることもありますね。

石灰は毒にも薬にも…といったところでしょうか?
利用する私たちが正しく使えばよいということですね。

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