©伝統素材伝承支援協会 漆喰 施工トラブル その1

漆喰 施工トラブル その1

そろそろ年度末ですね。

今月はまだ連絡を受けていませんが、
そろそろ「漆喰を施工してしばらくして、表面にひび割れが」という
お問い合わせが出てくる頃です。


年度末。

建築工事の追い込みの時期です。
左官さんのお仕事は「仕上げ」。最後に漆喰を塗ってキレイに仕上げます。
が、工期の遅延や天候不順などによって
工事日数が足りなくなることが多々あります。

で、間に合わせるために何とかするわけです。
当然、ご本人はゆっくり塗りたいのですが…。

誰かが待ってくれないのですね。



話は戻ってひび割れ。
ご相談を聞いていると、原因で最も多いのが
「セメントモルタルを塗って、ちゃんと期間を置けずに漆喰を塗った。」こと。

セメントは水和反応といい、一緒に練った水とセメントが反応することで
固まっていきます。
表面の水分が乾いたから、といって固まったとはいえません。
じわじわと固まっていくのです。

モノが固まるとどうなるか?
ほとんどのモノは収縮していきます。

セメントモルタルの上に漆喰を塗る場合、
暖かい時期でもセメントは最低2週間、
何もせず置いておく(これを養生といいます)ことをお願いしています。

で、養生せずに塗るとどうなるか?
セメントの収縮によって、上に塗った漆喰にひび割れが出来てしまいます。



次に多いのが
「セメントモルタルの上に砂入りの漆喰を塗らなかった」こと。
しっかり養生してもまだ、下地の挙動は収まりません。
また、建物に生じる力が表面の漆喰に伝わります。

漆喰は塗られた時が最も柔らかく、乾いた後
今度は空気中の二酸化炭素を吸収しながら硬く硬く固まります。

だから、極力表面に伝わる力が少なくなるよう、
砂入りの漆喰(中塗り漆喰)を塗るのです。
中塗り漆喰が緩衝材となるわけですね。

昔からの左官さんの優れた知恵です。

で、塗らないと?
やっぱり割れやすくなります。
でも、工期短縮のために省かれることがあるようです。
左官さんはしっかり塗りたいはずなのですが…。

今年度もあと半月。
左官の方々、お疲れ様です。

周りの皆様はよくご理解いただき、左官さんを応援してください。