©伝統素材伝承支援協会 「すさ」って書けますか? 150 150

「すさ」って書けますか?

久しぶりに「すさ」についてです。
関東など一部の地域では“つた”と呼びますね。

漢字で書けば


くさかんむり に 切る ですから、
植物系のものを切ったもの のイメージですね。

ここで、良く似た言葉?で「ぬさ」漢字で「幣」と書きます。
同様に「大麻」と書いて
「おおぬさ」と読むことはこれまで説明してきたとおり。


神道のお祓いで使われる
「おおぬさ」
麻や紙がつけられています。

さて、「すさ」と「ぬさ」良く似た響き。
麻も使われていますし。

神事で使う紙吹雪を確か「切り幣」と呼んでいたな…と調べてみたら、ありました。

きりぬさ 【切▽麻/切▽幣】
祓(はらえ)の具の一。麻または紙を細かく切って米とまぜ、祓い清めるために神前にまき散らすもの。小幣(こぬさ)。〔旅行に出る際、麻を細かく切って携帯し、道の神に供えた古習俗に淵源するという〕goo辞書

細かく切った麻?それって「すさ」じゃないですか?!
どちらも、かなり昔から使われていた言葉なのでしょうね。


さらにその響きから思い起こすのが神様の名前、スサノオノミコトです。
すさのを は素戔男、素戔嗚、須佐之男、須佐能乎
などと表記されますが、そのほかに苆の尾、苆の穂とも?!

大麻は古来より穢れを祓うものとして使われてきたわけですが
スサノヲノミコトと云えば、ヤマタノオロチの退治です。

なんだか話がつながってきたようにも?
ちなみにオロチを退治して救ったのがクシナダヒメ。
奇稲田姫と書き、霊妙な稲田の女神の意だそうです。
ってことはワラスサも?


などと日本神話に思いをはせるのはこのへんにして

すさの種類をもう一度おさらい。
本すさ  大麻を使ったすさです。本麻すさとも。
「大麻」の名の通り、ほぼ入手は不可能です。
生濱と呼ばれたのもこの素材でしょうか?
晒しすさ サラシスサ。国内の「麻すさ」のほとんどがコレです。
名前の通り、南京袋を漂白洗浄してリサイクルされたすさです。
原料となるのはジュート(黄麻・綱麻)やケナフ。
南京すさ 南京袋を洗浄してリサイクルされたすさです。
中塗りなどの下地や屋根漆喰に使われています。
「南京袋」は南京豆(落花生)の袋。
江戸初期には中国から輸入されていました。
だから、結構歴史の古い素材なのです。
白毛すさ 現在、原料はほとんどがサイザル麻のようです。
サイザル麻は麻ではなく竜舌蘭という種類の植物。
あまり水には強くありません。
中塗りなどの下地や屋根漆喰に使われています。
マニラすさフィリピンの首都の名の通り、フィリピン原産の芭蕉の仲間です。
軽くて強い繊維であるため、船のロープとして使われ、
そのリサイクル品として流通されていましたが、
現在はほぼ入手不能です。
なお一般にマニラとして売られているものの中身は、
ほとんどがサイザル麻です。
マニラ麻(アバカ)は国外持ち出しが制限されていますから。
麻すさについての詳細は右欄のラベル「麻すさ」で
過去のログも見ていただければ分かりやすいです。


麻すさ、漆喰にとっては絶対に必要な素材です。
現代は数少なくなってしまった、伝統技法を守る「すさ職人」さん。
その方たちの頑張りで、今も大切な国の宝が守られているわけですね。

ありがとうございます。