日本全国の雨模様と同じく、
我々の居る大分県の国東半島も雨にたたられています。
草取りを始めると程無く土砂降り。
食事の間に止んだと思うと、またもや土砂降り。
そんな中、近くの文化財の見学に行きました。
大分県の国東半島は六郷満山と呼ばれ、
山岳信仰と天台宗、そして宇佐神宮の八幡信仰が融合した神仏習合の地です。
なかでも有名なのが熊野磨崖仏(くまのまがいぶつ)。
(c) marinoskun|写真素材 PIXTA
磨崖仏とは、崖を磨くと読めるように、
岩肌や岩壁に彫り込まれた仏様の像です。
平安から鎌倉時代にかけて造られたものが多く、全国で見られますが、
国内の8割となる400体が大分にあるのです。
そして、国東半島にはその磨崖仏も多く存在します。
せっかくの機会、有名な熊野磨崖仏を。と参りましたが
さすが山岳信仰に熊野信仰。
鬼が一夜にして積み上げたという伝説の乱積みの自然石。
かなりの急傾斜で数百メートル登らなければなりません。
実際にはこの石段にたどり着くまでにも、
けっこうな距離の傾斜と階段を登って来たのですが…
苔が生え、雨で滑りやすくなった石を
一つ一つ踏みしめ、肩で息をしながら仏様を目指します。
(c) ちょこわん|写真素材 PIXTA
雨で濡れるよりも、噴き出す汗の方で体中びっしょりです。
そして心臓が割れんばかりに脈打ちながら
たどり着いた先には
高さ8メートルほどの不動明王像。
(c) marinoskun|写真素材 PIXTA
そして7メートルほどの大日如来像。
(c) marinoskun|写真素材 PIXTA
汗を拭うのも忘れ、見入ってしまいました。
仏様のすぐ上には熊野神社。
お祈りは、石段を無事に下まで降りられることです。
が、転ばないよう、下ばかり見ていて気付きました。
一夜で鬼が積んだといわれるその石積み。
ちゃんと三和土(たたき)で固められています。
鬼にも土や石灰に関する知識があったと見え、一人苦笑してしまいました。