運動会に使う石灰の正体

2010年10月12日火曜日

石灰

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秋の風、ちょっと肌寒くなってきました。
連休が終わり、秋の運動会も一段落ですね。

さて、
運動会につきものと云えば、石灰。
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(c) 岬太一写真素材 PIXTA

と云いたいところでしたが、
現在使われているライン用の白い粉は昔のものとは違うのです。
運動会に行かれた方、お気づきでしたか?
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(c) 鎌田裕二写真素材 PIXTA

昔から使われてきたのは消石灰。 化学名:水酸化カルシウム =Ca(OH)2

 水に溶けると強いアルカリ性を示します。

 鼻や口から吸いこんで、苦しかった思い出ありませんか?
 手についているのに気付かず、目をこすったら痛くなったり…。
 体育の授業でライン係をした後、手が荒れてしまったり…。

なので、2007年に日本眼科医会から消石灰を使わぬよう要請があり
文部科学省からも学校その他に同様の指導がありました。



じゃあ、今使っているものは何なの?
 …と訊かれそうですね。
 現在、ライン用として使用されているのは炭酸カルシウム。 =CaCO3
 タンカル、炭カルとも呼ばれる中性の粉です。
 石灰石や大理石などをパウダーにしたもので、
 食品添加用の製造加工されたものは、パンやビスケット、歯磨き粉などにも。

 これならカラダに安全。というわけです。
 
 ただ、消石灰もタンカルも原料は石灰石。
 加工方法が違うだけで性質が全く変わるのです。
 面白いですね。


石灰業界の対応は?
 ほとんどの石灰会社は10年近く前から
 炭酸カルシウムのライン専用製品への切り替えを進めていました。
 学校では対応品でないと使えません。
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(c) fujiko写真素材 PIXTA


でも、消石灰、単に危険というものでもありません。
強アルカリであるがゆえに、殺菌消毒の作用があります。

普段から畜産業では畜舎消毒に石灰を溶かしたものを散布しますし
近年発生している家畜の伝染病の際には、予防と殺菌の為に
消石灰が広範囲に散布されています。

また、こんにゃくのアク抜き、黒砂糖作りにも石灰は欠かせません。
ちゃんと「食品添加用消石灰」というものが存在するのです。

石灰、しっかり選んで使えば、お役に立つモノです。

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