今日は漆喰の主成分である石灰。
石灰に様々な種類があることを、
知っているようでなかなか知らない方が多いです。
石灰の原料となる石灰岩の鉱山。
実は、石灰岩は太古の時代に海だったところ。
サンゴやプランクトンが長い年月海底に堆積し、
その海底が地殻変動で隆起したもの。
(c) リー坊|写真素材 PIXTA
だからほとんどが海の底であった日本では
数少ない自給できる鉱物資源です。
山から採られた石灰岩は炭酸カルシウム。
これらを高温で焼くと、
炭酸カルシウムに含まれていた二酸化炭素が放出されます。
石灰を焼く窯
で、出来上がるのが生石灰(きせっかい、せいせっかい)。
焼かれた石ころは、軽石のように4割ほど軽くなっています。
その4割は、石から抜けた二酸化炭素の重さ。
生石灰はおせんべいや海苔などの乾燥剤として
身近なものでしたが、最近はシリカゲルに変わってきていますね。
あとは、お燗が出来るカップ酒などにも使われています。
特徴は水と反応しやすいこと。
水分を吸収しやすいので、乾燥剤に使われていたのですが…
カップ酒などと同じく、そこそこの水分を与えると加熱してしまうのです。
少々取り扱いに注意が必要な素材です。
で、生石灰に水をかけると…
熱を出しながら反応していきます。
これを消化反応と云い、出来上がるのが消石灰(しょうせっかい)。
誰もが身近に感じられるのはコレ?
(c) ライムライト|写真素材 PIXTA
昔は運動場の白線に消石灰が使われていました。
が、実は現在は目や気管支などの影響を考え、
安全な炭酸カルシウムのパウダーに変わっています。
とにもかくにも消石灰。
これが漆喰の主原料であるわけです。
一応、ココまでの化学式にも触れておきます。
まずは石を焼くと、二酸化炭素が抜けて生石灰に。
生石灰に水を加えると熱を出して反応し、消石灰に。
実はまだ続きがあるのです。
出来上がった消石灰は二酸化炭素を吸収して、もとの石へと変化します。
これが、漆喰が硬化する原理でもあります。
最後の方、ちょっと難しかったでしょうか?
実際の現物をそれぞれお見せしながら説明すると
すぐに分かるのですが…。