揺れながら心揺れる

2011年3月11日金曜日

古民家 七島い

t f B! P L
大地震の被害に遭われた方のお見舞い申し上げます。





私は本日、山梨で地震に遭遇しました。

たまたま寄った場所で遭遇 …しかも古民家で。

その模様はコチラで。

地震に心が上ずる中、実は不謹慎にももう一つ心が上ずるコトが。

これです。
独特の質感と光沢。古い畳でありながら新品とも思えるその姿。

見つけた。


失われつつある伝統素材。正真正銘の琉球畳です。


最近はやりの“琉球風畳”とは異なり、
ちゃんと「七島い」という草で織られています。
現在は大分県国東市の数件の農家さんでのみ栽培されているだけ。

その多くは北関東を中心に出荷されていたと聞いていましたが…

地震の中、職員さんにお聞きすると25年前のものだそうです。
やっぱり本物に違いない。
大分の研究者へ報告しなければ。と心が躍りながら足元も揺れていました。

冷静に見ると興味深い使われ方をしています。
居所といわれる座敷や中座敷、奥座敷にはい草の畳。




七島いの畳はお勝手と居間だけ。


そうなのです。
当主と身分の高い客人は
中門(下写真右)を抜けた式台付きの玄関から出入りします。
それを迎える居所~座敷にはい草の畳。


身分の低いものや家人は写真左の勝手口から土間へ入り
そこには七島いの畳。

畳はもともと身分の高い者の家にしか使われなかったことは
皆さんご存知の通り。

そこにさらにハレとケが使い分けられているのです。

この古民家は中門や式台がある通り、身分の高い名主の家。
畳を通して民俗学を垣間見たひと時でした。

しかし、この琉球表、冒頭に書いた通り「失われつつある素材」なのです。
残していってもらえるよう、お手伝いしたいものです。





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