心よりお見舞い申し上げます。一日も早い復旧をお祈り申し上げます。
また、今回の震災で亡くなられた皆様の心よりご冥福をお祈り申し上げます。
最も被害の大きい三陸。
そこは左官に使われる「三陸角叉」の産地でもあります。
岩手、宮城、青森の沿岸はご存知の通り津波の大被害を被りました。
磯は荒れ、おそらく今年の角叉は期待できないと思っても良いかもしれません。
海藻に詳しい左官関係の方々ならお分かりのことでしょう。
さて、地震から数日、すでにおかしなデマが流れています。
「今すぐ海藻買うとかんと、漆喰が作れん」
「どっかが買占めようとしとる」
「買占め」など無駄です。特に関西では特に無駄。
左官業界で最も多く使われている海藻は「銀杏草」。
メーカー製の漆喰に使われているのも9割以上が銀杏草。
粉ぎんなん、粉つのまたとして売られているものもほとんどが銀杏草です。
また、関西で「つのまた」と呼ばれている海藻も実際には銀杏草が多いです。
なぜか関西圏では「角叉が成長したものが銀杏草」という勘違いがあります。
本当は全く違うものなのです。
ほら、ポリ袋に入っていても全く違う。


銀杏草が採られているのは青森、北海道、そして韓国など。
それらの状況は悪くないそうです。
もうひとつ、理解しておかなきゃいけないのは
今年採った海藻が使えるようになるのは来年の夏以降だということ。
…寝かさないと使えないんです。
今年左官の皆さんがつかう海藻は種類に関係なく去年よりも前のもの。
すぐに不足する恐れはまったくありません。
…地震のせいで、漆喰の仕事が急に倍以上に増えることもないでしょう。
と、いうわけで左官につかう海藻のり、心配ありません。
毎年、海藻屋さんの倉庫に余るんですから。
また、千葉房総の2軒の海藻屋さん、
地震後、日曜までに全員と連絡がつき、安否確認を行っています。
皆さんご健在です。(栃木のすさ屋さんもご無事です。)
そして海藻屋さんにはしっかり昨年以前の海藻が熟成されている最中です。
左官関係者の皆様におかれては冷静な対処をお願い申し上げます。