文化が失われる…か?

2011年3月23日水曜日

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東北地方太平洋沖地震で被災された皆様に
心よりお見舞い申し上げます。一日も早い復旧をお祈り申し上げます。

また、今回の震災で亡くなられた皆様の心よりご冥福をお祈り申し上げます。


徐々に復興の兆しも見え始めたわけですが…
震災は人の命、暮らし、そして、文化をも奪い去る、とても大きなものでした。
死傷者、行方不明者の方々や被害を受けた住宅の数は
様々な報道でも目にされておられることでしょうし
それを語るのは大変辛いことですので、ここでは触れませんが

今朝6時に文部科学省から発表された
東北地方太平洋沖地震等による被害情報について(第38報)によれば

画像クリックで資料へ


3月23日午前5時の時点で確認されている
国公立・私立の学校、社会教育・体育・文化施設、文化財、研究施設などが受けた
物的被害は7116件。

文化財については下記のように広範囲に様々なものが被害を受けました。

都道府県別被害状況
都道府県被害件数
北海道
青森県
岩手県
宮城県
29
秋田県
10
山形県
福島県
13
茨城県
45
栃木県
24
群馬県
54
埼玉県
15
千葉県
38
東京都
27
神奈川県
10
新潟県
山梨県
長野県
静岡県
三重県
296


登録別被害状況(重複あり)
登録被害件数
国宝
重要文化財
102
特別史跡
史跡
44
特別名勝
名勝
12
天然記念物
11
重要伝統的建造物群保存地区
重要有形民俗文化財
その他
117





中でも津波によって消失した北茨城の六角堂
写真素材 PIXTA
(c) オズ写真素材 PIXTA

地震により全壊した大崎市の旧有備館。
写真素材 PIXTA

その他に、
  • 瑞巌寺庫裏及び廊下(宮城県)(漆喰壁に一部崩落・亀裂)
  • 大崎八幡宮(宮城県)(板壁・漆塗装・彫刻に軽微破損)
  • 仙台城跡(宮城県)(石垣崩落)
  • 旧小原家住宅(岩手県)(壁にひび割れ)
  • 伊藤家住宅(岩手県)(壁にひび割れ)
  • 秋田城(秋田県)(塀に一部剥落)
  • 阿弥陀堂(福島県)(扉まわりに軽微な破損)
  • 清白寺仏殿(山梨県)(内部の欄間の破損等)
  • 松島(宮城県)(各所で地震及び津波による甚大な被害)
  • 旧弘道館(茨城県)(学生警鐘の全壊、弘道館の壁漆喰の落下等)
  • 真壁地区(重伝建)(茨城県)(石蔵や土蔵の倒壊)
  • 伊能忠敬旧宅(千葉県)(屋根の飾り落下)
  • 旧浜離宮庭園(東京都)(芳梅亭屋根へこみ、給水管破裂、灯篭倒壊)
  • 小石川後楽園(東京都)(涵徳亭入り口階段ひび割れ等)
  • 多賀城跡附寺跡(宮城県)(整備した正殿基壇の舗装の亀裂の増大等)
  • 六義園(東京都)(ツツジ茶屋柱ずれ等)
  • 江戸城跡(東京都)(石垣等崩落)
とにかく挙げればきりのないくらい。
当然軽微な被害のものもあります。

復旧・支援は人命を優先とします。
それはあたりまえのこと。

しかし、放っておけば
貴重な文化が次々に失われてしまうことは間違いありません。

災害から立ち上がり、周囲を見渡した時
文化と呼べるものがない状況…それは「豊か」とは言えないのかもしれません。


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