土木と 石灰と

2013年4月24日水曜日

石灰

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漆喰は大陸から渡ってきた文化であると云われていますね。
しっくい という読みも唐音(中国の唐時代の発音)で石灰を表す言葉で
その当て字として漆喰となったといわれています。

ちなみに
 漆喰はべたりしませんよ。
 漆は造膜する際に架橋反応しますから、漆喰のアルカリだけでなく
 耐薬品性にも優れているのです。

で、国内で最も古い漆喰が残されている場所。
それが古墳です。

高松塚古墳やキトラ古墳の石室内の壁画の下地が漆喰であった話は有名ですが
それ以外にも石棺や石積みのモルタルとして、漆喰が用いられているのです。

元々、日本にはセメントなんてありませんでしたから。
ちなみに日本初のポルトランドセメントは明治8年。
それまで、硬く固める材料は漆喰や石灰などだったのです。

じゃあ、古墳のような大規模の土木工事はどうしていたか?

土に石灰を混ぜ、叩き固めていたのです。昔の土間をタタキと呼ぶように。
ちなみに三和土と書いてタタキと読みます。
作り方はまた後日説明しますね。

そんな古代の土木工事を現代に復元。

有名なカタチ。前方後円墳です。


これだけの盛土が流れないように固めるには石灰のほか、
様々な工夫が必要ですね。

葺石(ふきいし)と呼ばれる石で表面を覆っています。
一つ一つ並べ、固める技術、素晴らしいですね。

写真は2009年に公園として公開された、宮崎県の生目古墳群史跡公園(いきめこふん)にある生目5号墳です。
ワタシの先生の一人も復元のため粉骨砕身、努力されたそうです。
ちなみに石灰は私たちが焼いたものを使っていただきました。

いにしえの技術を復活される方々、ステキですね。
これからもご教授いただきながら応援させていただきたいと思います。

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