漆(ウルシ)がどんなものかはご存知ですよね?
漆は漆喰と同様、古来から使われてきた伝統素材。我が国の様々なものに使われてきた天然素材を利用した塗料です。
こうしてウルシノキを傷つけると表面に滲みだしてくる樹液。これがウルシの原料です。
一般的にペンキも「**樹脂塗料」などと呼んだりしますよね?!漆は樹液に含まれる樹脂を主成分とした天然樹脂の塗料なんです。
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そしてこの素材、漆喰などと同じように海外から来たものと思われがちですが、世界最古の漆は福井県の遺跡から出土した約12600年前のもので、品種もニッポンの固有種なのだそうです。
そうです。我が国オリジナル。ニッポン発祥の素材だったんですね。
ですから、古くから様々な利用が行われてきました。
木に塗って鮮やかに見せたり、素材を保護して建物を長持ちさせたり
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薄くて軽い漆器も漆のおかげ。木のままでは、ここまで丈夫にはなりません。
また、食器に塗れば、油分や水分を吸わなくなるので、匂いや味がしみこむのを防げますね。
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「漆」は我が国の大切な伝統素材なんですね。
…と漆の説明をしていると、「漆」「喰」と書くからには、漆(うるし)と何か関連があるんですか?と、良く聞かれるんです。
しかし…全く関係ないようです。「漆を喰う」と書きますが、漆の主成分の樹脂、ウルシオールは耐アルカリ性にも優れていますから、喰われないハズです。
漆喰ってなぜこの字を書くかというと、石灰を表す唐音(鎌倉以降に中国から入ってきた発音)の「シックイ」の当て字という説が有力なようです。もともとは「石灰」と書いてシックイと読んでいたということですね。
それを表すように、長崎市には「本石灰町」いう地名があります。本石灰町と書いて「もとしっくいまち」と読むんです。ちょうど歌で有名な思案橋から中に入ったあたりですね。
本石灰町とワタクシ
毎日の食事。手元のお椀やお箸、漆が使われていませんか?
伝統をつないできた先人に感謝しながらいただきましょうね。