聞いたことがありますか?
「目塗り」とは、つなぎ目にモノを塗ること。
ことわざの意味は「長くは持たない。すぐにボロが出てしまうこと。」
左官さん達の中では昔から、「傷んだ漆喰の上から漆喰は塗れない」
ということは常識としてご存知の話です。
下地が脆くなっている上、くっつき難いからすぐに剥げてしまうわけです。
また、つなぎの借金でそうそう長持ちすることもないですよね?
だから借金の目塗りもすぐに無駄になるわけです。
世間でまったく耳にしたことがない言葉なのですが、
それはそれとして、言葉の由来を考えると、なかなか粋な言い回しですね。
昔の左官さんが考えた言葉でしょうか?
ちなみに「目塗り」ですが、
火事が起きた際には
土蔵の窓や扉の隙間に泥などを塗って中のものを守ったそうです。
この作業も「目塗り」。
借金も火事と同じく、あわててやることだったのでしょうか?
以前拝見した土蔵では、扉の隙間を埋めるために、
扉の脇に味噌が入った壺が埋められていると聞きました。
では、漆喰の上から漆喰を塗るには?
傷んだ漆喰は論外です。ちゃんと下地から直しましょう。
土が露出している場合、屋根や軒から内部に水が入って、
小舞を腐らせていることも多々あります。
まだしっかりしている漆喰の上からであれば、
最近は付着のよい塗り替え下地材が各社から販売されています。
が、どこまで保つかは下地の判断次第。
判断を誤ると、「漆喰の上塗りで借金の目塗り」する羽目になるかも!?