屋根瓦、ちゃんと治っていますか?

2016年3月25日金曜日

よもやま

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2011年3月11日に発生した大地震。

そこから2週間ほど経ってからでしょうか?少しずつ復旧が始まりました。
そのころ最もご相談が多かったのが、「南蛮漆喰」を探している屋根工事業の方からのお問い合わせ。目的は震災被害の物件の屋根修理のためです。

多くの建物で瓦がズレたり落ちたり、その復旧に追われていました。


が、当時、ほとんどの方がお探しのモノが「いわゆる南蛮漆喰」。

それが何であるのか?ご存知ない方がほとんどでした。
なので以前のブログから抜粋して…


もともと「南蛮漆喰」とは油が混入され耐水性を増した漆喰のことです。

今でもモノの本では南蛮漆喰=屋根用漆喰とちゃんと説明されていますが、現在市販されている「南蛮漆喰」は、屋根の棟土に使うために粘土に石灰や樹脂を混ぜたもの。

硬化剤や撥水剤が混入され、「漆喰仕上げが不要」???という触れ込み。ってことは漆喰じゃない?少なくとも、伝統工法と照らし合わせれば「漆喰」とは呼び難いようです。

それでも一縷の望みを託しお電話をいただきます。

全国の漆喰屋さんにお問い合わせが入っているようです。
さすがに沖縄にも連絡があったと聞いた時には驚きましたが…。

残念ながら漆喰メーカーには「漆喰」しかありません。
屋根用に作られた漆喰はありますが、それは皆さんがお探しの「南蛮漆喰」ではなく、本来の「南蛮漆喰」です。

…と書くと、また混同しそうですね。一応色分けしてみましたが。



震災で修繕された瓦屋根。


瓦工事店さんには当時「2年先まで工事依頼が入ってる」というところもありました。

復旧するまでに、いったい何年かかることか?と思っていましたが多くは直されたようですね。

けれど、急ごしらえで応急処置だけで終わったり、代替の材料で間に合わせたり、と結構心配な施工もあったように聞いています。

あれから5年。
正しく「治して」いなければ、そろそろ傷み始める時期でもあるんですが・・・

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