技術や言い伝えなどを、言葉通り代々ヒトリに伝えていくものです。
Particolare della mossa mortale. / alessino
私が全国で出会う伝統素材の中にも、そういった限られた人にしか手にできないものが少なからずあります。
ちなみに、ワタシが好きな一子相伝は…時間が遅くなると入場券が必要になるんです。
1921年から脈々と伝えられる一子相伝の味。
それが折尾駅弁、東筑軒の「かしわめし」です。
折尾駅以外に、小倉や直方などの周辺駅でも売られているんですが、時間が遅くなると構内の売店でしか手に入らないことが多いんです。
この東筑軒の味こそ、創業当時から伝えられるという一子相伝の味。
ただ、かしわめし弁当は珍しいものではありません。北九州周辺でも数種類のかしわめしが売られていますが、全国の駅弁マニアが求めるのは、この東筑軒のものなんです。
フツーは鶏肉の味でご飯を食べるのがかしわめしですが…鶏肉よりもご飯が美味いのが、この東筑軒のかしわめし。天気が良ければ、小倉駅前のベンチで「銀河鉄道」の気分も味わえますね。
全国から垂涎でありながら「知る人ぞ知る」名物。そういったものこそ、いつまでも求められる大事な地域のタカラなのかもしれません。