DIYで漆喰 その4 せっこうボードに漆喰

2010年4月7日水曜日

DIY 漆喰

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新築内装の漆喰工事で最も多い下地がせっこうボードではないでしょうか?

プラスターボード、PB、べベルボードなどなど、いろいろと呼ばれますが
JIS分類上の呼称は「せっこうボード」(GB-R)ですね。
また、ラスボードは「せっこうラスボード」(GB-L)。
                    社団法人石膏ボード工業会より。

で、やはり多いお問い合わせが、
せっこうボードに漆喰は塗れますか?

 塗れますよ。



さて、ご説明です。(セルフビルドの方、しっかりご覧ください)

1)まずは、塗る前にボードの固定方法です。
  • 間柱や胴縁などの受け木の間隔は455ミリ以内であること。
  • ボードを固定するビスや釘の間隔はボード周囲で100ミリ以内、受け木の上で150ミリ以内であること。
(株)サンクスさんの資料より無断転載。











これらは出来る限りボードを固定して、
出来る限り漆喰がひび割れないようにするための手順です。
(それでも割れることがあるのですが…)

内装でのひび割れ原因のうち、かなりの件数がこの下地工事の不足です。
また、壁紙のリフォームに漆喰をオススメしないのは、この下地が作られていないことも理由です。

ちなみに天井の場合、野縁の間隔は303ミリ以内。吊木は910ミリ以内です。


2)次に、目地や釘頭処理。
  • 目地には左官用目地メッシュを施し、下地材で調整します。
  • また、釘頭についても段差修正を行います。
  • この時、窓周りやコーナーなどにも忘れずに。
  • 特に力のかかりそうな場所には幅広のもので上から2重にメッシュ補強しておくと良いです。

3)乾燥後、下地材を施工します。
 ここで多いのが、直接漆喰が塗れないの?という質問。

  ダメです。

 その理由は
  ・漆喰には石膏ボードにちゃんと付着するだけの成分は含まれていません。
  ・漆喰のアルカリでボード表面の紙が劣化し、変色や剥離を起こします。
    (ボードメーカーさんも直接はダメだと云ってます。)
 

 でも、△△の漆喰なら、直接で大丈夫と聞いたよ?
  
  不思議です。何か魔法がかかっているのでしょうか…?
   付着力を高め、紙を劣化させない魔法。何でしょうね。

  実はDIYの施工性を高めるため、直接塗れるような研究がなされています。
  各メーカー様、さすがです。

 ここで、しっかり気付いてくださいね。
 各社様、ちゃんと天然100%とはうたっていません。
 が、安全な製品を見分ける方法はありますよ。

 日本漆喰協会会員のメーカーの製品には、大変厳しい安全基準をクリアしており、それらの製品にはF☆☆☆☆よりもはるかに安全・安心な漆喰であることを表す、合格マークが付いています。
 ちゃんとマークの有無を確認してみましょうね。

  
  









4)下地材の乾燥後、漆喰を施工。
 下地材の種類によっては漆喰の前にシーラーが必要なものもあります。


これらを図にすると…

またもや(株)サンクスさんの資料より無断加工転載。













こうなりますね。


使用する材料は
  •  目地用メッシュ(ファイバーテープ)
  •  目地処理材
  •  下地材
  •  漆喰
最後に漆喰が塗られますので、メッシュ、目地材、下地材は
いずれもアルカリに強いものでなければなりません。
ご用意の際は、漆喰との相性をしっかり確認してくださいね。


ではどんな製品が?

散々画像を転載させていただいたお礼に(株)サンクスさん
 目地用には「楽々目地パテ」、下地材には「しっくい用プラスター」
 それぞれ漆喰に対応している製品です。(2016年末、廃業されました。残念。)
そのほか各社から漆喰専用の下地材が販売されています。

また、せっこうラスボードの場合は
 1)下地材として専用の石膏プラスター
 2)完全乾燥させて、シーラー処理
 3)漆喰の施工。

 これが標準施工方法です。
 石膏プラスターへのおっかけ施工は、石膏ボードメーカーが保証しません。
 理由は前述のせっこうボードと同じです。

後日、モルタル下地についても説明します。

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