甲子園での夏の高校野球大会が始まりますね。
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さて、1924年の今日、8月1日、ご存知「甲子園球場」が開場しました。
甲子園の「甲子」。いったいどんな意味なのでしょうか?
園は「●●園」のように囲まれた場所や、何かが行われる場所をさす言葉ですが…。「甲子」を「きのえね」と読める方、なかなかいらっしゃらないようですね。実はコレ、私たちの文化に様々な影響を与えている干支(えと)の一つなんです。
干支(えと)って??
「ネズミ・ウシ・トラ・ウサギ…イノシシでしょ?!」という方、半分くらい正解です。それは十二支(じゅうにし)ですね。干支の「支」にあたる部分。干支は 正しくは十干十二支(じっかんじゅうにし)。
「十干(じっかん)」は五行の木火土金水と陰陽の兄(陽)、弟(陰)が組み合わされたもの。
十干 | 音読み | 訓読み | 意味 |
---|---|---|---|
甲 | こう | きのえ | 木の兄 |
乙 | おつ | きのと | 木の弟 |
丙 | へい | ひのえ | 火の兄 |
丁 | てい | ひのと | 火の弟 |
戊 | ぼ | つちのえ | 土の兄 |
己 | き | つちのと | 土の弟 |
庚 | こう | かのえ | 金の兄 |
辛 | しん | かのと | 金の弟 |
壬 | じん | みずのえ | 水の兄 |
癸 | き | みずのと | 水の弟 |
さらに十二支(じゅうにし)はご存知のこの12の区分け。
十二支 | 音読み | 訓読み | 動物 |
---|---|---|---|
子 | し | ね | ねずみ |
丑 | ちゅう | うし | 牛 |
寅 | いん | とら | 虎 |
卯 | ぼう | う | うさぎ |
辰 | しん | たつ | 龍 |
巳 | し | み | へび |
午 | ご | うま | 馬 |
未 | び | ひつじ | 羊 |
申 | しん | さる | 猿 |
酉 | ゆう | とり | 鳥 |
戌 | じゅつ | いぬ | 犬 |
亥 | がい | い | イノシシ |
この十干と十二支を組み合わせたものが干支(えと)なんです。だから「甲子」は「きのえ」と「ね」の組み合わせで「きのえね」と読まれているのです。
試しに組み合わせを並べてみましょう。
順番 | 十干 | 十二支 | 干支(えと) | よみ |
---|---|---|---|---|
1 | 甲 | 子 | 甲子 | きのえね |
2 | 乙 | 丑 | 乙丑 | きのとうし |
3 | 丙 | 寅 | 丙寅 | ひのえとら |
4 | 丁 | 卯 | 丁卯 | ひのとう |
5 | 戊 | 辰 | 戊辰 | つちのえたつ |
6 | 己 | 巳 | 己巳 | つちのとみ |
7 | 庚 | 午 | 庚午 | かのえうま |
8 | 辛 | 未 | 辛未 | かのとひつじ |
9 | 壬 | 申 | 壬申 | みずのえさる |
10 | 癸 | 酉 | 癸酉 | みずのととり |
11 | 甲(2順目) | 戌 | 甲戌 | きのえいぬ |
12 | 乙 | 亥 | 乙亥 | きのとい |
13 | 丙 | 子(2順目) | 丙子 | ひのえね |
14 | 丁 | 丑 | 丁丑 | ひのとうし |
15 | 戊 | 寅 | 戊寅 | つちのえとら |
59 | 壬 | 戌 | 壬戌 | みずのえいぬ |
60 | 癸 | 亥 | 癸亥 | みずのとい |
61 | 甲 | 子 | 甲子(2順目) | きのえね |
さらに、それぞれ一番目と一番目から組み合わせていくと、甲子から始まって癸亥で一周しますね。ちょうど60でコヨミがもどるんです。
コヨミがもどる =「還暦」ということです。60歳で生まれた歳の干支に戻るから還暦。十干十二支を知らないと分からないオハナシですね。
さらにこの干支、「年」だけでなく月や日、時間、角度や方位など、様々なところで使われてきたんです。辛亥革命は1911年の干支が辛亥。同様に戊辰戦争、壬申の乱などもその年の干支によるもの。
トラが大好きな野球ファンの聖地、甲子園球場は1924年の甲子の年に造られたから。
(…寅年じゃないんですよ。)
大陸から伝わり、長く長く我が国で使われてきた「伝統」ですから、日頃は使うことがないにしても「知っておきたい」オハナシの一つです。
熱烈な野球ファンには関係ないって言われそうですけど(笑)
P5220031 / justgrimes