「無垢の木と漆喰の部屋」の音響が良いという意見が多数あります。
はたして本当にそうなのか?そうであるなら何故なのか?
たしかに最近、漆喰を外層にした無指向性スピーカーまで出て話題になりましたね。
漆喰と音響。実はいまだにちゃんと理解できていないテーマの一つなんです。
というわけで、以前その悩みを打ち明けたオハナシをおさらい。
はじめから申し上げておきます。
今日は答えのないハナシ。誰か答えを出してくれると嬉しいハナシです。
というわけで自由に考察します。
漆喰を塗った部屋で音楽を聴くと、なかなか良いカンジだ…とよく言われます。
音の反響の違いなのでしょうか?
下の写真はそれぞれ2013年に日本漆喰協会作品賞を受賞された作品です。
順に、カトリック雪ノ下教会(神奈川県)、玉川学園礼拝堂(東京都)。
この2物件について大変興味深いお話を
同じく日本漆喰協会作品賞の審査委員長でいらした難波先生が発表しておられます。
「漆喰仕上げによる空間の音響効果向上」
http://www.tamagawa.jp/news/pdf/detail_7984-pdf-01.pdf
ほとんどの方が意識しないことなのですが、「音」というものは空気を振動させることで伝わります。音楽の振動が刻まれたものがレコード。それを針で拾い、アンプで増幅してスピーカーを鳴らす。かつては誰もがそうやって音楽を楽しんでいました。
蓄音機 / Sig.
時代はアナログレコードからデジタルデータへ。
ですが、最終的にスピーカーが空気を揺らして音を伝えるんです。ケータイで音楽を聴く人が大半の世の中ですが、そのイヤホン、ヘッドホンはコレが小さくなったものですね。
ということは、昔も今も振動の伝わり方で音の良し悪しが変わるわけです。
では漆喰に伝わった振動はどうなるんでしょうか?
住まいの壁に使われている素材の比較で考えれば…
- 土…小さな粒子が不連続に固まって構成。どちらかというと吸音する素材です。
- 左官材…大小の骨材を樹脂が固めています。
- 壁紙…繊維と樹脂の連続体と考えることができます。
- 漆喰…カルシウムの小さな粒子や結晶の連続体と考えることができます。
ま、実験したわけでも、しっかりと調査したわけでもありません。
漆喰の部屋での音楽が、本当に、そして誰にでも心地よいかどうかもわかりません。でもそうなら…漆喰の未来が少し明るくなるかと(笑)