今日は、その現象についてわかり易くご説明。
漆喰をキレイに仕上げて数日。徐々に乾いていく漆喰を楽しみに見ていたら、表面にガサガサと白い粉状のものが…。
これを白化、白華といいます。
原因は漆喰の乾燥途中、水分がウマく蒸発しきれずいつまでも残っており、水に溶けた石灰分が表面に結晶を作ったからです。
水のカタヨリが原因。というわけです。
水が偏る原因として、漆喰の仕上げ方法を失敗した…というのは初心者の方だけ。
工事現場で多いのは、 下地の水分や通風が不安定だったり、 外気や室内の湿度が高かったり、様々です。特に壁面仕上げの場合には、よっぽど慣れたプロの方でも起きてしまう現象なのです。
だから左官さんや屋根職人さんにとっては
屋根や外部工事では施工前も後も、しばらくの間シートで養生するのは当たり前のことですし、漆喰が仕上がった翌日からも乾燥の確認や、換気のために現場に行くことがあります。さらには室内工事では除湿機を使うこともあるくらいです。
ちなみにこの結晶、鍾乳洞ができるのと同じ原理です。
漆喰は消石灰を練ったもの。消石灰(=水酸化カルシウム)の一部は水に溶けています。
その、水に溶けたカルシウムの結晶ですから、異常なものではありません。
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これも原理は同様のものです。 内部の水分が表面に滲みだす際に、溶けていた成分を一緒に表面に持ってくるわけです。
コンクリート躯体や玄関タイル、階段の裏側に出来る白い結晶、よく目にしませんか?
冬季や梅雨などの多湿時は洗濯物も乾きにくい季節。
当然、漆喰も乾きにくいものです。
そこで水をたっぷり含んだまま乾燥条件が悪いとどうなるか?
溶けていたカルシウム分が表面に結晶を作りやすい状況になるわけです。
発生した時の対処はいたって簡単に。除去する。
容易に除去できないときは仕方ありません。
塗り直しましょうね。