落語には江戸時代を中心とした、当時の生活模様が色濃く残っています。
逆に、現代のことしか知らないと、聞いていても面白くない。
博識とは云いません。
それなりの予習をしておくと面白くなるのです。(たぶん)
ちょっとした会話の中で、ちょっと気のきいた言い回し。
それをウィットやユーモア、エスプリ、トンチなどと呼んでいますね。
その集大成が落語なのだと、勝手に思っています。
さて、そんな予習の一つ。
「へっつい」とは?
「竃」や「竈」とも書きます。一般的な名称は「かまど」ですね。
コレの作り方や質感や様子が目に浮かばないと分からないハナシ。
そう。「へっつい幽霊」です。
(c) jun|写真素材 PIXTA
へっついは写真のような大きなものから、
ちょっと頑張れば運べるくらいの小さなものまで。
そして、それを作るのも左官さんの仕事だったのです。
小さいものでも、左官さんの腕の見せ所。
煮炊きした時の吹きこぼれや湯気で傷みにくいように
今ではなかなか見ることが出来なくなった、
「磨き」の技術が駆使された逸品も数多くあったようです。
そんな左官がつくった“へっつい”。
それと幽霊がなんの関係があるのでしょうか?
興味を持った方は落語へと足を踏み出しましょうね。
そんな“へっつい”での磨き技術。
数年前、ある建材店さんでの勉強会で、驚嘆しました。
左官業界で「伊勢磨き」と呼ばれています。
土まで仕上がった“へっつい”
幾重にも材料を塗りつけ、最後はノロで仕上げます。
(c) シン|写真素材 PIXTA
出来上がりの写真見たいですか?
チラッと見えてるもので我慢してください。
本物は自分の目で見て触って、感じましょう。
…ワタシはちょっと火傷しそうになりました。
さて、私が今一番感じたい場所、奈良です。
今月は勝手に奈良キャンペーン実施中。 |
雨は名刹をさらに印象深く感じさせます。
興福寺さんの五重塔です。
(c) あめっち|写真素材 PIXTA
雨跡が強く残る瓦土塀、各地に残されていますね。
足下から這い上がるように生える青苔も雰囲気があります。
(c) heihei|写真素材 PIXTA
やっぱり奈良。感性を磨く場所ですね。