「色褪せない黒漆喰ってないでしょうか?」
ありません。
漆喰の主成分は消石灰。真っ白なものが主成分なのです。
そこに黒いものを混ぜると?
ミクロなイメージとしてはこんなカンジ。
石灰の粉と黒い粉が混じりあうことで、
結果的に「黒く」見えているわけです。
ところが、風雨に晒されて黒い顔料が抜け落ちると?
主原料である漆喰の白が勝つわけです。
塗料が色あせてしまうのも、漆喰が色あせやすいのも、同じ理由からです。
色の粉が落ちると、主原料の色が勝ってしまうわけです。
伝統建築がそのまま残されている店舗。
とても素敵な佇まいです。
![](https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhvi-v4e7QihvELo6OBleACiBsWymmZ3FofFeRxCisfZRSTUQ3or9wwscwciUwKpWwyZjuCLq3s5sZ5P7qAQ-CxWx23kHYEW-N99K-K1p1CVbOrKRIjFup63hId9C3n4NaCexH6wNORaKU/s800/s-DSC01373.jpg)
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壁に塗られているのが「黒漆喰」。
左官材料の中でも製造が大変難しい製品でもあります。
さらに現在、その原料の入手が難しくなっています。
左官用墨は「松煙(しょうえん)」と呼ばれる松を燃やして作られたものが一般的。
ただ、昔ほど分散が良いものがなかなか手に入らないようなのです。
さらに「黒漆喰」自体を作ることの出来る左官さんも少なくなってきたようですね。
何度もいいますが、コレはご法度。
黒漆喰の補修に黒い塗料。
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漆喰と塗料は相性が悪いことは以前述べましたね。
2010-04-25 漆喰の上からペンキを塗っても大丈夫?その2
バリバリ剥げてしまっている塗料よりも
かえって色あせた漆喰の方が見栄えがいいですよね。
それが「味」。
「侘び」でも「寂び」でも「粋」でもいいです。
とにかく、それが我々のもつ美意識だと信じています。
こうやって表面が崩れかけた土塀。
美しいと思いませんか?