3原則に対する3原則

2011年4月28日木曜日

古民家

t f B! P L
古民家鑑定士や伝統資財施工士の資格取得に向けて学ばれた方は必ず覚えておくべきこととして習得しているはずなのですが…


ハーマン・デイリーの3原則、ご存知ですか?
持続可能な社会にするためには
  1. 再生可能な資源の消費ペースは、その再生ペースを上回ってはならない。
  2. 再生不可能な資源の消費ペースは、それに代わりうる持続可能な再生可能資源が開発されるペースを上回ってはならない。
  3. 汚染物質の排出量は、環境の吸収能力を上回ってはならない。

と、いうものです。


1については良く理解できますね?
消費が供給を上回らないようにしましょうということです。
3もよく分かるはずです。
自然が浄化してくれる以上に汚してはならない。

では2は??
「それに代わりうる持続可能な再生可能資源が開発されるペース」…代わりうるモノが無いままに使い切ってしまいかねないのが現実です。石油や石炭などの化石燃料を使い切らないうちに他のエネルギー…としての原子力は現状、決して代わりうるモノにはなっていないわけです。
 ところが、私たちは我慢できません。あればあるだけ使う。

デイリーの3原則による持続可能な社会の実現は難しいようです。
そこで新たに提唱されたのが2007年の国際シンポジウムISSEM2007で提唱された「石垣島宣言」です。

石垣島宣言 (2007.11.01 ISSEM2007)


材料はこれまで人類社会の発展に貢献してきました。しかし、その一方で大量生産・消費・廃棄を通じて環境負荷を増やしてきたことも指摘されています。
現在、人類活動の更なる発展を求めて材料への要求が一層高まってきています。そのために、材料に係わる資源リスクも急速に増大しようとしています。
そこで、材料を持続可能な社会の構築に役立てることを目指す私たちは、資源利用に関する以下の3原則の重要性を再確認します。


資源利用の3つの原則
  1. 資源を枯渇させない
  2. 環境リスクを増やさない
  3. 地域的世代的公正に配慮する
また私たちは、材料を利用し使用する全ての人々に、この原則に則った以下の4つの実践を呼びかけ、私たち自身も、これらを具現化する材料技術を開発していく決意を表明します。


資源利用の4つの実践
  1. 使わずにすむものは使わない(Reduce)
  2. 丁寧に使う(Reuse)
  3. 何度も使う(Recycle)
  4. ありふれたものを使う(Replace)


* :資源リスク=資源の供給リスク+資源の利用にともなう環境リスク


新たな3原則と、3Rを越えた4R。
根底の理念はやはり「未来の子供たちのために」ということでしょう。

文化を伝え、よりよい環境を残す。
そしてその理念も残していかねばなりませんね。

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