運動場に使う石灰

2011年4月29日金曜日

石灰

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連休中は各地でスポーツ大会。連休が終われば運動会の準備…という方も多いですね。
運動会といえば秋の風物詩でしたが、最近は春に行われることが増えましたね。

さて、運動会につきものと云えば、石灰。
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(c) 岬太一写真素材 PIXTA

と云いたいところでしたが、
現在使われているライン用の白い粉は昔のものとは違うのです。
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(c) 鎌田裕二写真素材 PIXTA

昔から使われてきたのは消石灰

化学名:水酸化カルシウム =Ca(OH)2
水に溶けると強いアルカリ性を示します。

 鼻や口から吸いこんで、苦しかった思い出ありませんか?
 手についているのに気付かず、目をこすったら痛くなったり…。
 体育の授業でライン係をした後、手が荒れてしまったり…。

なので、2007年に日本眼科医会から消石灰を使わぬよう要請があり
文部科学省からも学校その他に同様の指導がありました。



じゃあ、今使っているものは何なの?
 …と訊かれそうですね。

 現在、ライン用として使用されているのは炭酸カルシウム。 =CaCO3
 タンカル、炭カルとも呼ばれる中性の粉です。
 石灰石や大理石などをパウダーにしたもので、
 食品添加用の製造加工されたものは、パンやビスケット、歯磨き粉などにも。

これならカラダに安全。というわけです。
 
 ただ、消石灰もタンカルも原料は石灰石。
 加工方法が違うだけで性質が全く変わるのです。
 面白いですね。


石灰業界の対応は?
 ほとんどの石灰会社は10年近く前から
 炭酸カルシウムのライン専用製品への切り替えを進めていました。
 学校では対応品でないと使えませんしね。
 私たちも周辺の学校や運動施設、宮崎で行われるプロ野球のキャンプなど、
 納めているのは以前から安全な製品です。
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(c) fujiko写真素材 PIXTA


でも、消石灰、単に危険というものでもありません。
強アルカリであるがゆえに、殺菌消毒の作用があります。

普段から畜産業では畜舎消毒に石灰を溶かしたものを散布しますし、近年発生している家畜の伝染病の際には、予防と殺菌の為に消石灰が広範囲に散布されています。
また、洪水などの後に伝染病を防ぐために散布されることもありますね。

石灰は毒にも薬にも…といったところでしょうか?

 

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