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というわけで、今日はせっこうボードと漆喰。
新築内装の漆喰工事で最も多い下地がせっこうボードではないでしょうか?
プラスターボード、PB、べベルボードなどなど、いろいろと呼ばれますが
JIS分類上の呼称は「せっこうボード」(GB-R)ですね。
また、ラスボードは「せっこうラスボード」(GB-L)。
社団法人石膏ボード工業会より。
で、やはり多いお問い合わせが
「せっこうボードに漆喰は塗れますか?」
塗れますよ。
さて、ご説明です。(セルフビルドの方、しっかりご覧ください)
1)まずは、塗る前にボードの固定方法です。
- 間柱や胴縁などの受け木の間隔は455ミリ以内であること。
- ボードを固定するビスや釘の間隔はボード周囲で100ミリ以内、受け木の上で150ミリ以内であること。
これらは出来る限りボードを固定して、
出来る限り漆喰がひび割れないようにするための手順です。
(それでも割れることがあるのですが…)
内装でのひび割れ原因のうち、かなりの件数がこの下地工事の不足です。
また、壁紙のリフォームに漆喰をオススメしないのは、この下地が作られていないことも理由です。
ちなみに天井の場合、野縁の間隔は303ミリ以内。吊木は910ミリ以内です。
2)次に、目地や釘頭処理。
- 目地には左官用目地メッシュを施し、下地材で調整します。
- また、釘頭についても段差修正を行います。
- この時、窓周りやコーナーなどにも忘れずに。
- 特に力のかかりそうな場所には幅広のもので上から2重にメッシュ補強しておくと良いです。
3)乾燥後、下地材を施工します。
ここで多いのが、直接漆喰が塗れないの?という質問。
ダメです。
その理由は
・漆喰には石膏ボードにちゃんと付着するだけの成分は含まれていません。
・漆喰のアルカリでボード表面の紙が劣化し、変色や剥離を起こします。
(ボードメーカーさんも直接はダメだと云ってます。)
でも、△△の漆喰なら、直接で大丈夫と聞いたよ?
不思議です。何か魔法がかかっているのでしょうか…?
付着力を高め、紙を劣化させない魔法。何でしょうね。
実はDIYの施工性を高めるため、直接塗れるような研究がなされています。
各メーカー様、さすがです。
ここで、しっかり気付いてくださいね。
各社様、ちゃんと天然100%とはうたっていません。
が、安全な製品を見分ける方法はありますよ。
日本漆喰協会会員のメーカーの製品には、大変厳しい安全基準をクリアしており、それらの製品にはF☆☆☆☆よりもはるかに安全・安心な漆喰であることを表す、合格マークが付いています。
ちゃんとマークの有無を確認してみましょうね。
4)下地材の乾燥後、漆喰を施工。
下地材の種類によっては漆喰の前にシーラーが必要なものもあります。
これらを図にすると…
またもや(株)サンクスさんの資料より無断加工転載。
こうなりますね。
使用する材料は
- 目地用メッシュ(ファイバーテープ)
- 目地処理材
- 下地材
- 漆喰
いずれもアルカリに強いものでなければなりません。
ご用意の際は、漆喰との相性をしっかり確認してくださいね。
ではどんな製品が?
※(株)サンクスさんは2016年に廃業されました。
そのほか各社から漆喰専用の下地材が販売されています。
また、せっこうラスボードの場合は
1)下地材として専用の石膏プラスター
2)完全乾燥させて、シーラー処理
3)漆喰の施工。
これが標準施工方法です。
石膏プラスターへのおっかけ施工は、石膏ボードメーカーが保証しません。
理由は前述のせっこうボードと同じです。
後日、モルタル下地についても説明します。