漆喰の原料についてのおさらい

2017年8月12日土曜日

おさらい

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幾度も繰り返していますが漆喰の原料についてのおさらいです。

簡単に言うと、
「漆喰」とは石灰を塗りやすくするために、海藻や麻などを入れて練ったものです。

だから、本当の漆喰の原料のほとんどは石灰。
海藻や麻は合わせても数%にしかなりません。

分かりやすく表にまとめていますので、じっくりご覧くださいね。



漆喰
素材の名前
内容
石灰
漆喰の主原料です。
  •  主に「塩焼き消石灰」。
  •  石灰の代わりに貝を焼いた灰も。
詳しい説明:リンク1 リンク2
すさ
石灰の収縮力の分散、補強、つなぎの為。
  • 麻すさが主に用いられています。
  • 仕上げ用漆喰では紙すさも。
詳しい説明:リンク3 リンク4 リンク5
海藻のり
粘度調整、保水効果のために。
  • 若干の接着強化にも効果があります。 
  • 角叉、銀杏草などの海藻の粉末。
詳しい説明:リンク6 
補助材料
化学のり
保水、粘度、接着の安定のために混入されます。
  • メチルセルロースやカラギナンなど。
  • 天然原料を化学的に加工しています。
化学繊維
強度向上やひび割れ防止。
  • ナイロンやポリエステルの繊維です。
  • 鏝すべりが良くなる効果のものも。 
炭酸カルシウム
収縮やひび割れ防止。
  • 石灰石を粉にした炭カルなど。
  • 消石灰の純度をあえて落とすために。
顔料
漆喰に色を付ける際に。
  • 煤や鉱物顔料など。
  • 黒以外にも、赤や黄などがあります。


近年は、様々な化成品が添加されています。
これらは高度成長期あたりから使われてきたもの。

漆喰が手軽に塗られるようになり、
 価格競争が行われた結果とも、
 左官職人自ら漆喰を調合することが出来なくなった結果とも、
 よい海藻が入手しにくくなったからとも、云われますが、
いずれにせよ、正統な漆喰には化成品を使ってはならないですよね。

だいたい、ミキサーで「簡単に」混ぜられる漆喰自体、
本筋から外れているのですから…




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