琉球石灰岩の神秘

2010年9月29日水曜日

石灰

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沖縄県で産出される岩石の代表的なものが「琉球石灰岩」です。

他の地域で採られている石灰岩と比べ、様々な特徴があります。
特に、その生成は更新世といわれ、石灰岩としては新しい部類でしょうか…。
(といっても約180万~160万から約1万年前です)

サンゴ礁の働きによって造られた岩石であることも良く分かるのが、この琉球石灰岩。
建築材料としても沖縄県内の様々なところで目にすることができます。

代表的なところで城(グスク)。

石畳から城壁、いたるもの全てが琉球石灰岩で造られています。
当然、古民家もそうです。家をしっかりと取り囲む石塀も、

柱を支える礎石も琉球石灰岩です。
特にこの礎石の写真、元がサンゴであることが良く分かるものですね。
我々の住む日本の全てが海の恵によって成り立っていることが実感できます。

沖縄県にある様々な文化遺産や文化財の中でも神聖な場所、
琉球王国最高の聖地「斎場御嶽(せーふぁうたき)」でも
石灰岩がその神秘的な姿を造り出しています。

斎場御嶽は首里城等と一緒に「琉球王国のグスク及び関連遺産群」として
ユネスコ世界遺産に登録されています。
沖縄、琉球王国の歴史に触れるなら、必ず訪れるべき場所ではないでしょうか?

そんな世界遺産のほとんどが琉球石灰岩によって形作られているのです。
まさに神秘の石灰岩ですね。


この琉球石灰岩、一つ困った特徴があります。
それは「とても滑りやすい」こと。
沖縄のアスファルト道路の混ぜ石にも使われているため
特に雨の前後などは大変スリップしやすい道路になります。

沖縄の路面状況を知らない県外の利用者が
レンタカーで事故を起すケースが多いそうですね。
だから、レンタカー屋さんからもしっかりと注意を喚起されました。


また、遺跡の石畳は全て琉球石灰岩。
急坂などでは雨が降らなくても大変滑りやすい状態にあります。
バカンス気分でサンダルやヒールのある靴で歩くことは大変危険です。

沖縄の歴史文化探訪はしっかりとした、滑りにくいスニーカーなどがオススメです。

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