長野県 小布施町にある 新生礼拝堂を訪ねました。
【小布施の心の原点】4月から始められた募金も、今日7月31日で締め切りとのことでした。
新生礼拝堂は1934(昭和9)年、新生療養所(現在の新生病院)に隣接して建設されました。当時、亡国病としておそれられていた結核に苦しむ日本の人々を救うために、カナダの人たちが献金を呼びかけあいました。土地の購入から病棟の建設、最新鋭の医療設備、そして院長をはじめ医療スタッフの派遣まで、すべての資金がその募金によってまかなわれました。カナダからの物心両面の支援は、日本が高度成長期に入ったのを見届けるまで、続きました。
新生療養所を舞台に、カナダ人スタッフや入院のために全国から訪れた患者と、地元の人々とのさまざまな交流が生まれ、小布施の精神風土が養われてきました。
新生療養所は、結核専門施設としての役割を終えて新生病院となり、現在の私たちはその医療と福祉の恩恵に浴しております。新生礼拝堂は、こうした歴史を背景にして、今も建設当時のエキゾチックな姿をそのままとどめています。満開の桜に包まれる春から、ツタの葉の茂る夏を経て秋の紅葉、そして雪におおわれるクリスマスシーズンへ。四季を通じて私たちを癒し、楽しませてくれています。人々をあたたかく思いやる心と、交流の大切さを伝えてくれる、貴重な財産です。
─── 募金を呼びかけるチラシより
ニュースを知ったのが7月の半ば。もっと早く知っていればと、少し悔やみます。
今回の改修は、漏水や外部の改修が中心になるとのこと。
内外を目視診断したところ…
屋根はセメント瓦に葺き替えられ、内部の漆喰にも塗装が行われているなど
これまでも数回手入れがなされたようでしたが、
拝見するに、確かに緊急に外装を中心に手入れしないと
致命的な傷みが進行してしまうよう推察されました。
懸命なご判断だと思います。
内部は、塗装による軽微な補修方法が採られるようですね。
ご予算の関係がありますから、仕方の無いことです。
漆喰と塗装の関係は以前に説明しましたね。
漆喰の上からペンキを塗っても大丈夫?
その1 http://www.blog.rice-ohmori.com/2010/04/blog-post_1259.html
その2 http://www.blog.rice-ohmori.com/2010/04/blog-post_25.html
国内外の教会でみられるとおり、
漆喰は礼拝の場としての静謐で清澄な空気をつくりだしてくれます。
「次回は漆喰にできるといいですね」とお話させていただきました。
76年前の建築です。
洋風建築でありながら、そこかしこに職人の技がうかがえました。